Anki を長く使ってきたけれど、iPhone 中心の生活に合わない・設定が複雑・データ管理が煩雑——そういう理由で別のアプリを試したくなることがあります。
このページは、Anki から RepeCa に乗り換えるときの手順 と、どんな人に向いて、どんな人には向かないか をまとめたページです。判断そのものは、この記事の役目ではありません。
Anki から移りたくなる4つのパターン
「Anki は良いアプリだけれど、自分には合わない」と感じるとき、理由はだいたい次のどれかです。
- iPhone だけで完結させたい(PC を開くのが億劫。移動中の学習が中心)
- 設定が多すぎて挫折した(間隔・スケジューリング・ノートタイプで詰まった)
- UI が2010年代のデスクトップ的で疲れる(見た目のシンプルさを取りたい)
- 同期・アカウント管理が煩雑(AnkiWeb のアカウント管理から離れたい)
当てはまらないなら、Anki を続けるのが素直です——Anki は完成度の高いソフトで、乗り換えるコストのほうが大きい場合があります。上のどれかが強く効いているときにだけ、続きを読んでください。
Anki を iPhone だけで使い続ける選択肢については、iPhone だけで Anki を使う にまとめてあります。他の候補アプリの棚卸しは Anki の代替アプリ が正本です。
移行の3段階
RepeCa への乗り換えは、データを持ち出す → 取り込む → 学習を再開する の3段階です。
1. Anki から CSV で書き出す
Anki は昔からテキスト書き出しに対応しています(Anki 公式マニュアル)。AnkiMobile でも AnkiDesktop でも同じ形式 で書き出せます。
- 書き出し先:
.txtまたは.csv - 区切り: セミコロン(
;)か タブ(\t) が日本語に安全(カンマは本文に混じることが多い) - 先頭行:
#separator:Semicolonなどのヘッダを付ける(Anki 2.1.54+)
書き出しの詳細と、そのままコピーして試せる20枚のカードは カードを作るのが面倒で続かない人へ にあります。
2. RepeCa に取り込む
RepeCa は、Anki の書き出しをそのまま食える ように作ってあります。
#で始まるヘッダ行は無視される(Anki の#separator:tabなどがそのまま通る)- 区切りは自動判定(カンマ・タブ・セミコロン・パイプ)
- 文字コードは UTF-8 も Shift_JIS も自動判定
具体的な手順は CSV からカードをまとめて取り込む にまとめてあります。Anki のノートタイプが Basic / Basic (and reversed) のカードは、そのまま RepeCa のフラッシュカードとして通ります。
⚠️ 移らないもの:
- 学習履歴(間隔・レベル・次回復習日)——Anki の SRS 状態は CSV に含まれず、RepeCa 側でも取り込みません。取り込んだカードは全部レベル1(新規扱い)から始まります
- 画像・音声——CSV 経由では移りません。画像は RepeCa 側で1枚ずつ添付するか、Anki の Cloze / 特殊なノートタイプはそのまま持ち込めません
- タグ階層——RepeCa のタグはフラット(
受験::英語::文法のような階層は受験 英語 文法のように平にする必要があります)
3. 学習を再開する
取り込みが終わったら、RepeCa 側の設定を1回だけ整えます。
- iCloud 同期を有効にする(別 iPhone や機種変後の復元用)
- 通知を設定する(Anki の学習時刻をそのまま移す)
- ロック画面ウィジェットを追加する(Anki には無かった導線)
Anki 側は すぐには消さない ことをおすすめします。RepeCa で1〜2週間使ってみて、続くようなら Anki を外す、が安全です。
RepeCa が向く人・向かない人
| 向く | 向かない |
|---|---|
| iPhone 中心で学習している | Android と iPhone の両方で使いたい |
| SRS の細かい調整より、続く仕組みを重視する | FSRS や独自スケジューリングを触りたい |
| カード数は数百〜数千程度 | Anki の膨大な資産(数万枚+ 画像・音声)を全部移したい |
| 通知・ウィジェットで日常に置きたい | デスクトップで長時間セッションが習慣 |
| 見た目のシンプルさに価値を感じる | Anki の柔軟なノートタイプが必要 |
向かない側に多くチェックが付くなら、Anki を続けるのが素直です。移行コスト(学習履歴の消失+機能の差)を払う理由が薄くなります。
よくある挫折とそれを塞ぐ機能
| つまずくところ | それを塞ぐ機能 |
|---|---|
| CSV の文字化けで取り込めない | RepeCa の文字コード自動判定(UTF-8 / Shift_JIS) |
| Anki のカード数が多くて RepeCa に全部移すのが躊躇う | フォルダ単位で試験的に移す→続くなら追加、が安全 |
| 学習履歴が消えるのが嫌 | Anki を残しつつ RepeCa を並行で使う(1〜2週間) |
| Anki の Cloze(穴埋め)を使っていた | 現時点で RepeCa に Cloze は無い(フラッシュ or ○×/N択で書き直しが要る) |
| Anki の統計・グラフに慣れている | RepeCa の統計は基本項目に絞る(ストリーク・カレンダー・学習量グラフ・苦手カード・振り返り)=Anki のカード単位の詳細分析は無い |
関連
- Anki を続ける選択肢(iPhone だけで使う手順): iPhone だけで Anki を使う
- 他の候補アプリの棚卸し: Anki の代替アプリ
- Anki が難しく感じる理由の分解: なぜ Anki は難しく感じるのか
- CSV 取り込みの具体手順: CSV からカードをまとめて取り込む
- CSV 書き出し(他のアプリに移すとき): カードを CSV に書き出す
乗り換えは、移すコストと得られる価値を、自分の使い方で比べる作業 です。判断は自分で。手順はここに揃っています。