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Anki の使い方 (更新: 2026年9月2日)

Anki の代替を探す前に——乗り換えが正しい3つの場合と、選ぶときの5つの軸

「Anki が合わない気がする。他のアプリに移った方がいいだろうか」

この記事に辿り着いた人の多くは、そう考えていると思います。ただ、先に結論を書いておきます。

多くの場合、乗り換えは必要ありません。

理由は2つあります。困りごとの多くは設定で解決すること。そして乗り換えても付いてくる問題があることです。

順に見ていきます。

まず:それは設定で解決しませんか

「Anki が合わない」の中身を分解すると、しばしばこの3つです。

感じていること実際の原因対処
毎日の量が多すぎて開くのが苦痛新規カードの入れすぎ1日の新規上限を10〜20枚に。設定を1つ変えるだけ
設定項目が多すぎて分からない全部理解しようとしている触るのは新規上限だけでよい。残りは初期値で問題ない
同じカードが何度も出てくるカードが大きすぎる(1枚に詰め込みすぎ)1枚1論点に割る。これはどのアプリでも同じ

とくに1つ目はアプリを変えても解決しません。間隔反復である以上、今日入れたカードは明日以降の復習として必ず戻ってくるからです。乗り換え先で同じことが起きます。

この点は間隔反復(SRS)とはAnki が「難しい」と感じる理由に詳しく書きました。乗り換えを検討する前に、こちらを先に試す価値があります。

乗り換えが正当な3つの場合

そのうえで、設定では解決しないケースもあります。

① パソコンを使わない/使えない

Anki は「パソコンで作り、スマホで回す」前提の設計です。iPhone だけでも学習と基本的なカード作成はできますが、アドオン・ノートタイプの変更・画像穴埋めの作成にはパソコンが要りますiPhone だけで Anki を完結させられるか)。スマホで完結させたい人には、前提が合いません。

② 多機能さが要らない

数百枚を回すだけなら、Anki の機能の大半は使いません。使わない機能も、選択肢として目に入るだけでコストです。「設定を覚える時間を学習に回したい」というのは、正当な理由です。

③ 自分でカードを作りたくない

Anki は「自作」または「他人の共有デッキ」が前提です。最初から質の揃った問題集が欲しいなら、コンテンツを提供するタイプのアプリの方が目的に合います。

逆に言えば、この3つに当てはまらないなら、Anki を使い続けるのが合理的です。無料で、機能制限がなく、20年近く続いており、データも自由に持ち出せます。

選ぶときの5つの軸

乗り換えると決めた場合、何を見るか。製品名ではなく軸で考えると、情報が古くなっても判断できます。

① 誰がカードを作るのか

自作型(自分で作る)か、コンテンツ型(既成の問題集が入っている)か。ここが最初の分岐です。

自作型は自分の弱点に完全に合う代わりに、作る手間がかかります。コンテンツ型はすぐ始められる代わりに、既に知っていることも含まれます。

② どこで作るのか

パソコンで作るのか、スマホだけで完結させたいのか。①で自作型を選ぶなら、ここが実際の使い勝手を決めます。「スマホでも作れる」と「スマホで作りやすい」は別物なので、実際に10枚作ってみるのが確実です。

③ 規模

数百枚なのか、数千〜数万枚なのか。

規模が大きくなるほど、検索・タグ・一括操作・重複管理といった整理する機能が効いてきます。逆に数百枚なら、そうした機能はほぼ使いません。

④ 費用の形態

金額だけでなく金額の形態を見てください。

形態特徴
買い切り長く使うほど得。ただし試せないことが多い
サブスク気軽に始められるが、使い続けるほど総額が増える
無料+広告費用ゼロだが、学習の集中が切れる代償がある

長期間使うつもりなら買い切りが有利です。逆に「合うか分からない」段階では、無料で試せるものから入る方が損をしません。

⑤ データを持ち出せるか(見落とされがち・重要)

これが一番見落とされる軸だと思います。

数百枚を作り込んだ後で「やっぱり別のアプリに」と思ったとき、中身を取り出せるかどうか。取り出せなければ、そのアプリを使い続ける以外の選択肢がなくなります。

確認すべきは、

この軸では Anki が圧倒的に強いです。テキストにも独自形式(.apkg)にも書き出せ、完全に自分のものとして持ち運べます(Anki 公式マニュアルの「Exporting」。2026-09-02 確認)。乗り換え先を選ぶときは、そこから「さらに次へ移れるか」まで見ておくと、後悔が減ります。

カテゴリの見取り図

具体名を挙げますが、順位付けではありません。カテゴリの例として読んでください(2026年8月時点の一般的な分類で、状況は変わります)。

カテゴリ性格
高機能・自作型できることが多い。学習コストも高いAnki
共有・既成コンテンツ型他人の作った問題集をすぐ使えるQuizlet・暗記メーカー
語学特化型単語学習に最適化。音声や既成の単語帳が強いmikan・WordHolic
シンプル自作型機能を絞り、スマホで完結するRepeCa(本サイトの運営元)ほか

どれが優れているという話ではありません。①〜⑤の軸に対して、自分の答えと合うものを選ぶだけです。

乗り換えるときの実務

意外と知られていませんが、移行はテキストを経由すれば大体うまくいきます

  1. 今のアプリから書き出す(CSV / テキスト)
  2. 列の順序を整える(表・裏の2列にする)
  3. 移行先で一括取り込み

Anki からなら、ブラウザ画面でカードを選んで「メモをエクスポート」→ テキスト形式で出せます(公式マニュアル。フィールドはタブ区切りで書き出されます)。取り込み側の手順はテキストからの一括作成に書きました。

ただし学習履歴(どのカードがどの段階まで進んだか)は、まず引き継げません。アプリごとにアルゴリズムが違うためです。乗り換えると復習の進み具合はリセットされると考えておいてください。これも「乗り換えは慎重に」と書く理由の1つです。

RepeCa へ移す場合に何がどこまで運べるかは、Anki から乗り換えるに手順つきでまとめてあります。

まとめ


この記事について

このサイトは、暗記アプリ RepeCa の開発元が運営しています。「Anki の代替」を探している人に向けて、自社の製品を売り込める立場にあるので、そう読まれることを前提に書きました。

そのうえで、この記事の結論は 「多くの人は Anki のままでよい」 です。これは謙遜ではなく、上の①〜③に当てはまらない人にとって、無料で機能制限がなくデータも自由な Anki を離れる理由が乏しいからです。

RepeCa の位置づけはカテゴリ表の4行目——機能を絞り、iPhone だけで完結させたい人向けです。多機能さでは Anki に及びませんし、既成コンテンツも持っていません。年 ¥4,000 のサブスクなので、長く使うなら ¥4,000 買い切りの Anki の方が安くなります。無料枠があるので、合うかどうかは触って判断してください。

軸⑤(データの持ち出し)について自分たちの状況も書いておくと、RepeCa は CSV での書き出しと、画像を含む ZIP でのバックアップに対応しています。入れたデータは持ち出せます——これは、どのアプリを選ぶにせよ確認しておくべき点だと思います。

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