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学習法

単語帳アプリを自作するとき、英語以外の言語で詰まる4つのこと

単語帳アプリを自分で作ろうとすると、英語向けに作られた道具が多いことに気づきます。中国語・韓国語・ドイツ語、あるいは古文や漢文をやろうとした人が「単語帳アプリ 自作 英語以外」で検索するのは、そのためです。

厄介なのは、最初の数枚では問題が出ないことです。手で打ち込むぶんには何語でも入ります。詰まるのは枚数が増えて、まとめて取り込もうとしたときで、その頃には数百枚のカードが溜まっています。

この記事では、英語以外の言語で単語帳を自作するときに実際に詰まる4点と、アプリを選ぶ前に確認しておく方法を書きます。私たちは暗記アプリを作っている側なので、自分たちが対応できていない部分も含めて書きます。

詰まるのは入力ではなく、取り込み

キーボード入力は、まず問題になりません。 iOS の言語設定を足せば中国語も韓国語も打てますし、保存されるのは単なる文字列です。表示のフォントも端末側が持っています。

問題が出るのは、手打ちをやめて一括で入れようとした瞬間です。

自作の3経路① 手入力言語を選ばないどの言語でも通る② 写真から認識言語しだい⚠️ 指定外の言語は返らない③ ファイルから文字コードしだい⚠️ 化けると全行が壊れる

①は言語を選びませんが、②と③は言語に依存します。 そして自作を続けると、必ず②か③に手を出すことになります。

選ぶ前に確認する4点

#確認すること確かめ方
写真から取り込むときの認識言語自分の言語の教材を1枚撮る。英語の本で試さない
ファイル取り込みの文字コードExcel で作った CSV をそのまま入れて、化けないか見る
音声(読み上げ)の有無発音が要る言語なら必須。無ければ別アプリとの併用になる
出題の向きを変えられるか「外国語 → 日本語」だけでなく逆も出せるか

① 写真の認識言語 — 「OCR 対応」は自分の言語での対応を意味しない

ここが最大の落とし穴です。 iOS の文字認識は認識対象の言語を優先順で指定する仕組みになっていて(Apple の recognitionLanguages・2026-08-24 確認)、指定されていない言語は返ってきません

つまり「OCR 対応」と書かれていても、そのアプリがどの言語を指定しているかで結果が変わります。英語だけを指定していれば、中国語のページを撮っても何も返らないか、断片的なアルファベットだけが返ります。

🔴 私たちのアプリもこの制約の中にあります。 認識言語は日本語と英語を指定していて、中国語・韓国語の教材を撮っても実用になりません。日本語学習者向けに作った実装がそのまま残っている状態です。

確かめ方は単純で、試用のときに自分の言語の教材を1枚撮ることです。 英語のページで試すと、ほぼどのアプリでも通ってしまいます。

② 文字コード — Excel で作った表が化ける

自作でいちばん多い経路が「表計算ソフトで単語リストを作って、書き出して取り込む」です。ここで化けます。

Excel が書き出す CSV は環境によって文字コードが変わり、日本語や中国語が全滅することがあります。1行だけ壊れるのではなく、全行が読めない状態になるので気づきやすい反面、対処法が分からないまま詰まる人が多い箇所です。

私たちの実装では文字コードを自動判定してから読むようにしています(Excel 由来の CSV でよく起きるためです)。ただしこれはアプリ側の作りに完全に依存するので、選ぶ前に一度、実際のファイルで試すのが確実です。

⚠️ タブ区切りで書き出すと化けにくいという回避策もあります。取り込みの形式についてはまとめてカードを作る方法に書きました。

③ 音声 — 語学では、これが有無を分ける

発音が意味を持つ言語では、文字だけのカードは半分しか機能しません。 中国語の声調、韓国語の発音変化、ドイツ語の名詞の性のように、文字を見ただけでは復元できない情報があります。

🔴 私たちのアプリには読み上げがありません。 文字と画像だけです。発音を含めて覚えたい場合は、音声を持つアプリを選ぶか、併用することになります。

古文・漢文のように発音が主目的でない対象であれば、この項目は無視して構いません。自分の言語で何が必要かによって、優先順位が変わるところです。

④ 出題の向き — 「見て分かる」と「自分で言える」は別

外国語 → 日本語だけを繰り返していると、読めるのに書けない・言えない状態になります。これは言語に限らず起きる現象で、再認と再生の違いとして整理しました。

確認するのは、同じカードを逆向きにも出せるかです。私たちのアプリではフォルダ単位で出題の向きを設定でき、裏面から出す設定と、ランダムに向きを変える設定を選べます。

⚠️ 逆向きは負荷が上がります。 実質的に覚える量が2倍になるので、1日に入れる枚数は先に決めておいてください。

言語別に、どの経路が現実的か

上の4点を踏まえると、言語によって現実的な作り方が変わります

学習対象現実的な経路注意
中国語・韓国語①手入力/③ファイル⚠️ 写真取り込みは認識言語の確認が必須。私たちのアプリは非対応
ドイツ語・フランス語などの欧文①②③すべてラテン文字は認識されやすい。性・格の情報を裏面に含める設計のほうが重要
古文・漢文①手入力⚠️ 縦書きは OCR が弱い(私たちの実装でも残課題)。返り点・送り仮名は写真では拾えない
日本語(漢字・語彙)①②③すべて横書きの印刷物なら写真が使える

🔑 共通して言えるのは、「写真で一気に取り込む」を前提に選ばないほうがいいということです。手入力とファイル取り込みは言語を選びませんが、写真は選びます。

自作そのものを軽くするほうが効く

道具の話を4点書きましたが、自作で最終的に効くのは枚数の設計です

英語以外の言語は教材が少ないぶん「見つけた単語を全部入れる」になりやすく、数か月後に復習が回らなくなります1日20枚でも1年後には毎日約290枚という計算をしたことがあります。

カード1枚の作り方(1枚1論点・裏面を長くしない)はカードの作り方の原則に、そもそもなぜ間隔を空けて復習するのかは間隔反復(SRS)とはにまとめました。道具を選ぶ前にこの2つを決めておくと、どのアプリを選んでも失敗しにくくなります。

まとめ


この記事について

このサイトは、暗記アプリ RepeCa の開発元が運営しています。自社製品を勧めるための記事ではありません。 4点のうち2点(写真の認識言語・音声)は、私たち自身が対応できていない項目です。

実装している側から書けることは、「どのアプリが良いか」ではなく「なぜその制約が生まれるのか」です。写真の認識言語は、ライブラリの呼び出し時に指定するもので、指定を書いた人が想定した言語しか返りません。この構造を知っていれば、どのアプリを試すときも確認の仕方が分かります。

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