暗記アプリを続けていると、「いったん全部リセットして最初からやり直したい」と思う瞬間があります。教材を変えた、数か月離れて忘れた、雑な採点で数字が実力と合わなくなった——そのどれもが、残しておくと足を引っ張るデータになります。
RepeCa は、学習レベルの進捗だけをリセットできます。 何日やってきたかの記録、グラフ、連続日数、カードの中身は残ります。戻すのは進捗、残すのは記録、という切り分けです。
このページは、リセット機能で何が起きて、どんな単位で使い分けられるかをまとめたものです。リセットしていいかどうかの判断基準は 別の記事 にあります。
何が消えて、何が残るのか
リセットで動くのは カードごとの進捗だけです。学習した事実そのもの(何日やったか、何回正解したか)は履歴として残り、統計の表示にもそのまま反映され続けます。
| 消えるもの(カードの進捗) | 残るもの(学習の記録・カードの中身) |
|---|---|
| 学習レベル(1〜5段目) | 学習した日ごとの記録・連続日数 |
| 次に出す日(今日に戻る) | 正解数・不正解数の履歴 |
| 正解・不正解のカウンタ | グラフ・ヒートマップの表示 |
| 苦手判定に使う集計 | カードの表裏・画像・タグ・フォルダ |
つまり 「カードは振り出しに戻るが、自分が何日やってきたかは残る」 という挙動です。連続日数を積んできた人は、ゼロに戻る心配なくリセットを選べます。
どの単位で戻せるか
粒度は3つあります。壊れている範囲より広く戻さないのが原則です。
| 単位 | 使う場面 | 確認 |
|---|---|---|
| カード1枚 | 1枚だけ採点を間違えた/その1枚の記録がおかしい | 2択の確認(Alert) |
| フォルダ | 教材や範囲を変えた/特定の科目だけ立て直したい | 2択の確認(Alert) |
| 全体 | 数か月離れていて全カードを覚え直したい | 「リセット」と文字入力を要求 |
全体のリセットだけ確認を重くしているのは、取り消せない操作だからです。フォルダ・カード単位なら影響範囲が見えているので2択で足ります。
リセットが妥当なのは、記録と実力が食い違っているとき
判断の目安は、カードの中身と、記録されている習熟度が食い違っているかです。食い違っているなら、記録のほうを捨てるのが正しい方向です。
- 教材を変えた — 同じ「民法」でも参照教材が変わると問われ方が変わるため、以前の習熟度はあてになりません
- 長く離れて忘れた — 3か月放置したカードは記録上は最上位でも、実際にはほぼ忘れています。前回思い出せた前提が崩れています
- 採点が壊れた — 眠い状態で流したり、雑に「覚えた」を押した結果、思い出せていないのに間隔が伸びたカードが残っています
⚠️ 溜まった復習を消す目的では勧めません。 400枚溜まっているとき、その大半はまだ覚えているカードです。全部レベル1に戻すと、覚えているカードに何週間も「覚えた」を押し続けることになります。溜まりの解消は、リセットではなく1日あたりの枚数を決めて機械的に消化する ほうが速い、というのが結論です。
判断基準の詳しい話(Anki の Reset card 仕様との比較、実装の内側で見つけた設計判断)は、Anki の学習履歴をリセットしていいのか にまとめてあります。
統計は残るが、レベル分布は変わる
副作用として1つ:統計画面の「習熟度の分布」(レベル1〜5にカードが何枚あるか)は、リセットしたぶんが全部レベル1に集まります。これは「日別に学習した記録」ではなく「現在のカードのレベルを毎回数えている」ためです。
グラフ・ストリーク・ヒートマップは日別の記録から作られるので、リセットしても変わりません。残せるのは「何日どれだけやったか」、変わるのは「いまの実力の分布」 です。レベルを戻したのに分布だけ古いままのほうが不整合なので、この副作用は仕様として受け入れています。
動作条件と、正直に伝えること
- iPhone の RepeCa アプリで単独に動きます(外部サービス・追加の権限は不要)
- リセットしたら元に戻せません。同期を有効にしている場合、他の端末にも即座に反映されます(間隔反復の仕組み に沿って、次に開いた端末で新しい世代の進捗として合流します)
- リセット直後は 「レベル1で、今日が期限」 のカードが並びます。新規カード扱いにはしないので、1日あたりの新規カード数の上限には引っかかりません
- 学習記録(グラフ・ストリーク)に触らない代わりに、「習熟度の分布」だけは変わります(前節)
リセットの手順
粒度によって導線が3つに分かれています。
全体をリセットする
- アプリの 設定 → 学習 を開きます
- 「学習レベルをリセット」 をタップします
- 確認画面で 「リセット」 と文字入力して確定します
取り消せない操作のため、確認は文字入力です。
フォルダ単位でリセットする
- リセットしたい フォルダを開き、右上のメニュー をタップします
- 「フォルダ設定 → データ」 から 「学習レベルをリセット」 を選びます
- 2択の確認(キャンセル/リセット)で確定します
1枚だけリセットする
- リセットしたい カードをタップして編集モーダル を開きます
- 「学習レベルをリセット」 を選びます
- 2択の確認で確定します
覚えたいものを、忘れる前に。戻すべきときに戻せるのも、続ける仕組みの一部です。